校長からのメッセージ

まもなく創立100年、
多彩な卒業生を輩出する教育力

本校の大きな特徴の一つは、多様な分野で活躍する卒業生に恵まれた学校であることです。象徴的な例として、世界的なプロテニスプレーヤーや、プロ野球界や柔道界のトップ選手をはじめ、さまざまな分野でずば抜けた実績を残すアスリートを、多く輩出してきました。またスポーツだけでなく、地元の産業、教育、医療など、生活に密着した分野で、山陰地方の発展を支えている人たち。あるいは広く国内、海外に飛び出して活躍している人もたくさんいます。すでにある会社や組織のなかで活躍するだけでなく、自ら起業しあらたな仕事を生み出している多くの起業家の方もたくさんおられます。まさしく開星中学高等学校は、人材の宝庫と言っても過言ではないでしょう。そうした歴史ある本校が、4年後には100周年の大きな節目を迎えます。この機会を生かして、国内外で活躍をしている方々から、開星の後輩たちに激励していただく場の準備を始めました。偉大な先輩たちから、人を育てる開星の教育力の強みと、これからの社会で活躍するために必要なことなど、貴重なお話を伺えるものと今から楽しみにしています。

開星の教育力は建学の精神に宿る

本校の建学の精神は「品性向上」です。建学の精神とは、学校を設立して以来、大切にしている教育の理念であり、開星中学高等学校では日常生活の中で「品性」を大切にしてきました。「品性」こそ、社会に貢献する人材を生み出す精神性であり、活躍している卒業生には豊かな「品性」が備わっていると確信します。そしてこの「品性」という言葉、日常生活では中高生だけでなく、大人もあまり使わないのではないでしょうか。もしかしたら、一度も口にしないまま過ごす中高生が、ほとんどかもしれません。だからこそ「品性」を意識するのは、今の時代にとても貴重だと思うのです。

では、そもそも「品性」とは何でしょうか? 確かな測定の基準はあるのでしょうか? また、挨拶や言葉づかいなど、外見に現れる問題なのでしょうか、あるいは内面の問題でしょうか? さらに、いったん身につけば、失われないものなのでしょうか、意外と頼りないものでしょうか? このように「品性」を考える切り口はたくさんあり、もしかしたら絶対的な答などはなく、一人ひとりが永遠に探究していく問題なのかもしれません。そして、今の時代こそいっそう重要になっていると、私は思います。

AI時代にこそ、輝きを放つ人間性

現代はAIを活用した技術の発展などにより、これまで以上に人間性が問われる時代になってきました。あらゆる分野で答えを出すこと以上に、答えの出し方であったり、答えに添える言葉や仕草が重要になっています。回答だけであれば、人間よりも能力の高いAIが、すぐに出してくれるわけですから。誰がやっても、同じような答えが出る時代だからこそ、人の個性が際立ってくるというわけです。そして一人ひとり備える「品性」こそが、きっとその人の独自性や個性の大きな要素であり、それを高め合う空間こそが、学校の価値ではないでしょうか。オンライン教育の発達により、知識を教えるだけであれば、学校という場は必要がないと言われる時代ですから。

かつての教育現場では、一定時間の中でいかに早く、いかに正しい答えを導き出すかを、個人に問うてきました。しかし社会の成熟・複雑化などにより、答が一つではない。あるいは永遠に解決しない問題が日々、発生しています。変化の進度も速く、私たち現代人は、対応が容易ではありません。そうした中で、他者と力を合わせ、より良い状況を創り出す意欲と行動力。組織で困難な局面を打開する協調的な資質と能力の養成が、これからの学校教育でますます必要になっていきます。

開星中学高等学校が最も大切にしている学びの姿勢は「探究」です。探究とは「真理を探究する」という言い方をするように、追及していく姿勢であり、態度です。本校では、すべての教科において「探究」する姿勢を大切にしてきました。そして教科の学習とともに、生徒も教師も「品性」を探究し、これからの時代に求められる人材を育てる場を作ってまいります。

校長 水野 次郎

◆校長プロフィール

2020年9月より副校長として本校での勤務を開始されました。2021年度より校長に就任。2018年までは千葉県の公立中学、高校で9年間、校長を歴任されました。その後、大学に身を移しキャリアコンサルタント(国家資格)として、若い人たちの進路支援をサポートされています。学校に勤務する以前は、ベネッセコーポレーションという企業で24年間にわたり教育雑誌の編集などに携わって来られました。その間、最も長く担当したのが『こどもちゃれんじ』という幼児雑誌で、初代編集長として活躍されました。社会人生活のほぼすべてを通して、教育にかかわる仕事を実践されてきました。